とある争いを横目で見て即「どっちもどっち」と言う人が許せない。
いろんな人が争っている。
現実でも、ネットでもそうだ。
片方が文句を言い、もう片方がそれに文句を言う。
その争いをちらっと見て、
「どっちもどっちだねー」
という人がいる。
私はそれが許せない。
なぜなら、争いはその気がなくても片方が仕掛けて来れば始まるからだ。
例えば
・家賃を払わず不法に居座るアパートの住民
VS家賃を払うか出て行けと言うそのアパートの大家
・DVがひどいクセに親権を譲らない親
VSその親から親権を奪いたいもう片方の親
これらの人が争っていたら、「どっちもどっち」なんて言えるだろうか。
いや、言えない。
ちょっと複雑になるけど、
「お家騒動」もこういうのにあたる。
AとB、どちらが正式に家督を継ぐか。
Aは「先代から後はお前に任せると言われた」と言い、
Bは「血筋的に自分の方が継ぐのが正しい」と主張する。
お家のことが何も分からない第三者はどちらも言い分も正しい気がするし、
同じ仲間同士で争うのは醜いという人もいるだろう。
だがもしかしたらAの言うことはまるっと嘘である可能性もあるし、
Bは血筋は近くとも芸としては全然なっていなくて継ぐにはふさわしくないという事実があるかもしれない。
それは教えてくれなければ分からないし、
本当に本当のところの事情というのは中にいる人にしか分からない。
ぱっと見て
「醜いなあ」
「どっちもどっちだなあ」というのは両者に失礼だ。
同じ理由で、「喧嘩両成敗」という言葉も好きじゃない。
喧嘩するにはそれなりの理由があるし、ないかもしれない。
もしかしたら片方がとんでもなく悪で、片方はただ抵抗しているだけかもしれない。
そういうことを知ろうともせず、喧嘩しているという事実だけを見て
「どっちも悪い」「どっちも謝って終わろう」とか言ってくる人はダメだと思う。