クリエイティブな世界では「消費するだけの人」も絶対必要だ。
絵を描く、
物を作る、
文章を書く。
人間は手先が器用なので、
動物と違いこのようなクリエイティブな活動ができる。
けれどそんな動物にはない能力を持ちながら
「自分は全く絵を描かない」
「物を作らない」
「文章を書かない」
という人もいる。
要はそういうことに関して
買うだけ、読むだけの消費オンリーの人だ。
そういう人は
人間としての人生を無駄にしているか
というと、
決してそうではない。
例えば文章を書く人は、同じく文章を書いている人の作品がヒットすると、
素直には喜べない。
絵を描いている人も、物を作っている人も、自分と同じようなことをしているのに
その人の作品だけ世の中に受け入れられて人気になれば、少なからず妬むことがある。
例え「すごいね!」と言える人でも、
腹の中では「どうせこの人気だって長く続かない」
「これくらいなら、自分にもできる」とか少しは思っている。
また、同じ業界にいればしがらみがあるから、
例え”あんまりおもしろくないなあ”と思っていても「面白くておすすめです!」と
言わなければならない時もある。
その中で、「消費だけする人」は違う。
その分野で消費だけする人は、
自分がすごいと思うものは素直に「すごい!」と言い、
隙あらば人に広めようとさえする。
野球選手に憧れる子供みたいな、
素直で本当に大事にしたい、
創作者に力を与える人になれる。
消費するだけで自分は何も作らない人。
そういう人がいるから、
何かを作る人はその人に喜んでほしくて何かを作れる。
なんていうか、
「消費するだけ」というのも才能の一つだ。
消費するだけの人は、誰かを応援してくれている。