主に不平不満を書く日記

9割不満、1割賞賛を述べる日記です。

臣女 感想 愛というか何というか。

この前のアメトークで芸人さんがオススメしてて、

「後半がほぼ糞尿の話」というのが気になって「臣女」を読んだ。

 

うーん、確かに糞尿の話だな!

ていうか前半も糞尿だし、全体の80%くらい糞尿の話だな。

 

でもこれを芸人さんは「愛の話」と言っていて、

読むと確かに愛の話だった。

 

少女漫画の愛がどこまでも綺麗な愛なら、

こっちはどこまでも汚い愛?

 

汚いというと語弊があるか。

なんていうか、どんな人間でもうんこするよね、うんこって大事だよね。

例え恋愛中でも、みたいな。

 

途中から人間じゃなくて動物を飼っているような世話の仕方だったけど、

やっぱり人間として見てて、うーん、なんていうか主人公の男はよくやったな、と思う。

 

それなら早く病院へ連れて行けよ、って話だけど。

 

いやでもこれが二人の選んだ道なら仕方ないのかなあ。

 

もし二人が山に行けたとしても食料がなさすぎて奈緒美は餓死…、いや、主人公を食べちゃってたかも?

 

奈緒美が普通の人間に戻って二人で平和に生活するエンドも望んでたけど、

結局奈緒美は死んでしまったね。

 

主人公はこれからどうするんだろう…と思ったけど、

主人公は死にそう。

 

奈緒美の介護疲れというか、ある意味生きがいだったし。

 

介護中も、主人公は別の女性に行こうとしたり

色々フラフラしてたけど、それが人間っぽいと思った。

 

フラフラするけど、奈緒美を捨てずに戻ってくるっていうところが、

人間の良さなんかなと思う。

 

うーん、良さかな?

それなら病院と言うかしかるべき機関へとも思うけど、

自分勝手だが「最後まで自分で介護したい」と主人公が決めちゃったのかも。

 

あと、木村って人、結局なんだったんだろう?

なんか作中「犯罪者かな?」という前振りみたいなのがあったけど、結局何もなかったよね。

 

竹林は、うーん、やっぱ嫌な奴だなあと思う。

竹林は竹林で闇が深そうだけど。

 

総合的に見て、臣女はどうだったか?というと、面白かった!

 

どんどんやばい方向に向かっているので、スリルがあった。

途中、主人公がフラフラしまくるのもリアルで面白かった。

 

そりゃあ最初は「不倫したバツだ!」と思っていたけど、

あまりの悲惨さに「もう許したれよ!」って思ったもん。

 

フラフラするのも仕方がない。

バツとしては重すぎるよ。

 

奈緒美は、作中でも「自分は子供」って言ってたし

先生に本気で恋してしまうような子だったから、

多分ちゃんと自立できない子だったんだと思う。

 

だから自分には先生しかいない、先生について行くしかないみたいな事を考えちゃって、最後死んでしまった。

 

不倫した時点で見限れば、何も起こらなかったかもね。

そう考えると、あまりに純粋すぎた奈緒美の心が主人公の不倫によって心が壊れて

あんな異物になってしまったのかも。

 

中身が憎しみとか後悔しかないから、糞尿や痰などの汚い物しか出てこないとか。

 

うーん、

人を愛するには、まず自分がしっかりしてなきゃダメ、

自立してないと依存しまくっちゃってどうにもならないという事を学べた気がする。

 

そうだね、そうだ!

奈緒美は残念だったけど、主人公に依存し過ぎてしまったんだ。

 

そして主人公だけど、よくやったとしか。

後はこれを小説に書いて、お金を儲けて各方面に賠償金を払って…

でも金持ちになれても、主人公は死にそうな気がする。

 

大切な家族が死んだというより、ペットロス的な気持ちで。

 

なんかさ、よく考えたらやっぱり人間が愛するには「程度」があると思うんだよね。

あまりに異物になりすぎると、愛はあるだろうけど人間としての愛なのかというとちょっと違って、動物とか無機物に対する愛になりかわっちゃって、

動物とか無機物は喋れないから人間が都合よく解釈しちゃう事があるじゃん。

 

例えばペットの猫が「にゃ~ん」と甘えてきたら

人間は「ご主人様ぁ~!なでて~!」と言ってるに違いない!と解釈する事が多いけど

実際は「おいクソ人間。てめーしかいないからさっさとなでろクソが」とDV野郎みたいな事言ってるかもしれないし。

 

奈緒美はもはや動物っぽくなっちゃって、そこでもう主人公との人間としての繋がりはなくなったのかなあと思う。

 

それを考えると、主人公と異物の奈緒美はもはや夫婦ではなくペットと飼い主の関係になっちゃって、人間同士の愛の物語ではないような気もする。

 

愛は愛なんだけどさ。

 

うーん。

臣女ってタイトル、巨女のミスから始まったやつだったんだね。

でも巨女より、臣女の方が合ってる気がする。

 

臣って家臣とかに使われるけど

主人公が途中から家臣みたいになっちゃうし。

 

そして「女」っていうのが、なんかもう動物って感じで奈緒美っぽい。

 

 

 

おわり。