刑事とか科捜研ドラマでありがちな「残酷な真実は隠した方がいい」問題
よくありますよね。
刑事とか科捜研のドラマで、
主人公側が超有能で一度他殺と判断された事件を、
「これは他殺に見せかけた自殺」と解明する。
けど、先輩役が「そんなの暴かなくていい!(自殺って事にしとけ)」とか言う奴。
主人公側と先輩役側が逆の場合もある。
確かに、「借金苦で苦しんでいた家族のお父さんが、
家族に保険金を残す為に他殺に見せかけた自殺をする」みたいな話で、
家族は保険金をもらえそうだったんだけど、
主人公が「これは自殺です!」って暴いちゃって結局保険金はもらえず一家は借金苦のまま、みたいな話。
こういうドラマの感想を見てみると、
「主人公はよけいな事をしやがって」
「せっかく他殺に見せかけてたんだから、そのままでいいじゃん」とか
書いてる人も多い。
ただ、それは物事を一方面からのみ見た場合だ。
この借金苦のお父さんが、本当に自分の意志で自殺したのかは正直分からない。
本当に家族の事を思っての自殺の可能性もあるが、
家族の「お前が死ねば全て解決するんだよ」という見えないプレッシャーが
あって、それに追い詰められての事かもしれない。
一見家族愛故の悲しい事件に見えるが実際のところ、
「本当に自分の意志での自殺」でもあれば、
「洗脳状態の自殺」もあるのだ。
そして、そこまで暴くというのは、刑事や科捜研では無理だ。
こういう一見「家族愛的な自殺」をある意味美談として「なら自殺って事にしておこう」と見逃すと、それは「洗脳状態の自殺」も同時に見逃す事になる。
正しい自殺も、悪い自殺も両方見逃す事になるのだ。
曖昧な正義の為に明らかな悪が見逃される。
それは、「悪い事は許さない」刑事や科捜研にはあってはならない事だ。
だったらどっちの場合であっても全部暴いた方がいい。
そういう事だよね、このテーマの結論って。
おわり。