主に不平不満を書く日記

9割不満、1割賞賛を述べる日記です。

儚い羊たちの祝宴 感想 最初からネタバレ

おもしろかったーーー!!!

 

1つずつ感想。

 

・吹子さんの話。

オチがうまい。

なるほどねーーー!!!

 

そうきたか!!と思った。

というか、吹子が犯人って吹子が独白するまで気づかなかった。

ずっと、宗太が実は生きていて宗太が殺しているんだと思っていた。

 

だから、あんなに親身な夕日を殺したと分かった時に

「えーー!!何で!?」

と思ったけど、

 

そ~~いう理由か~~~!!

 

いや~~、タイトルがうまく効いてる話。

 

つまり、吹子さんは

「ただ避暑に行きたくなくて」4人も殺しちゃったんだ。

 

ま~正直宗太も他の2人の女性も性格悪すぎて

「死ねよ!」って思える人達だったから、

死んでも別にいいや。

 

夕日はかわいそうだったけど、

他の3人と違い優しい殺し方だったから、ある意味ハッピーエンドかも。

 

慈悲を感じる。

 

あまりに見栄を張り過ぎると、

こんなどうでも良いことで

人を殺さなきゃいけなくなっちゃうんだなあ。

 

そういえばコナンとか金田一でも、見栄で殺すとかたまにあるよね。

 

恨みで殺すのはアリっちゃアリだけど、

見栄で殺すのはちょっとあれかな。

 

・あまりさんの話。

うおーーー!!!

これもオチがすごい!!!

 

犯人、あまり。

 

あまりは完璧で冷静な使用人かと思ったけど、

 

早太郎を見て「この甘ちゃんがぁぁ~~!」とブチ切れる

人間らしい(?)ところもあった。

 

そして早太郎はそれを見抜いていたという。

 

「後から手だけ後で赤くなる」というね・・・

 

 

う~~~ん、ゾワっとくる!!!

 

 

部屋のどこかに飾られたらさあ、

何十年も経つうちにジワジワ手が

赤くなっていくのを見続けなきゃいけないと考えると

ひぇ~~~~!!と思う。

 

この絵は大人しく詠子に渡して、

あまりが入れない詠子の部屋にでも飾ってもらった方が良いかも。

 

それにしても、

「生きてても死んだ扱いにする」ってすごいね。

 

そんなに会社が大事か?と思う。

 

弟で軌道に乗ってるなら、

兄が生きてても社長は弟のままでいいじゃんと思うのだが。

 

お金に余裕があるんだから、

「生きてました宣言」したのちに絵が好きな兄は金に飽かせて画家生活

開始して、家業から離れたら良いのに。

 

それとも早太郎は

本当は社長に返り咲きたかったのかな?

 

弟は賢そうだから、それを見越して閉じ込めてたのかな。

 

でも、色々あったけど最後には早太郎は兄弟を愛してたってことかな。

背景が夜から朝焼けに変化するってことは

素晴らしい門出を表しているだろうし。

 

でも、何であまりだけ別に描いたんだろう?

あまりの手だけ紫にすれば、あの絵に4人描けるのにね。

 

あまりだけ別に描いたってことは、

あまりのことは「家族とは認めてない」ということかな。

 

それか、あまりの手だけ赤になっちゃったら

「え!?なんであまりの手だけ赤いの!?」ってなって、

何十年後かにあまりが早太郎殺人の罪で誰かに責められるかもしれないから?

 

「僕だけが知ってるよ」ってことを分からせようとしたのかな?

あまり、早太郎だけじゃなくて光次や詠子、

虎なんとかさんも殺すつもりみたいだから

その牽制?

 

うーん、でもあまりだけ別に描いてあまりにだけ分かるようにしたってことは、

「殺しても良いよ~」ってことなのかもしれない。

 

なんか家族として歪んでるもんね。

その歪みの象徴である愛人の子あまりに家族を皆殺しにされるのも良いかもしれないと

思ったのかもしれない。

 

「でも、僕は家族(兄弟)を嫌いになったんじゃないよ」

ということを伝える為に、あの絵を描いた?

 

あと、「あまり」って名前もすごいよね。

小説に出てくるキャラの名前が

現実になさそうなおかしな名前は

意外とよくあるから

「ふーん」で読み飛ばしてたけど、

 

愛人の子=余りの子

 

=あまりちゃん。

 

ひ、ひで~~~~!!!

 

でも伏線がよく効いてる!!

 

 

屋島さんの話

そういうオチかーーーーーい!!!

 

いや~~~~

こういう話好きです!!!

 

怖がらせるだけ怖がらせて、

「なんちゃって!」みたいなオチ。

 

なんか

ずっと息をはりつめて読んでああ~~やばいよやばいよ・・・と思ってからの、

 

そっちかーーーーい!!!なオチ。

 

好きです。

きっと皆この話を読んだら笑うと思う。

 

確かに、ずーーーーっと伏線でその傾向は出してた。

確かに。

逆に、「何でそうしないと思った?」自分に問いかけたいくらい。

 

うふふ、屋島さんのキャラ、好きです。

ア――私も屋島さんの別荘に行っておもてなしされたいよ~~。

 

 

・五十鈴さんの話

五十鈴さんはね、

あのババァに復讐したかったんだと思うよ。

 

多分だけどさー、五十鈴さんの両親はあのババアに殺されたと思う。

「焼けました」っていうの、放火とかそういう系っぽい。

 

五十鈴さんが有能過ぎて、

ババアが無理やり天涯孤独にしたんじゃないかな。

 

それで、感情を失った子みたいになっちゃったとか。

 

主人公とは友情っぽいものを築いていたけど、

あれも確かに本物のような気はしたけど、

心の底には復讐があって、

ひたすら復讐の機会をうかがってたとか。

 

そう思うと、

赤ちゃんを焼いちゃうのも意味通るよね。

 

それを見たババアが憤死したのも、

内心「ギャハハ!!大成功!!」みたいな気持ちだったんじゃないかな。

 

こういうババア嫌よね~~と思う。

いや~~五十鈴さん良くやった。

 

主人公は「自分は弱い」って言ってたけど、

良くやった方だと思うよ。

 

弱かったら、

普通に毒杯飲んでると思うもん。

 

あのお母さんやお父さんの姿見て、

「強く育て」っていう方がムリ。

 

五十鈴さんが見つかって、

今度こそ本物の友情が芽生えると良いなと思う。

 

 

・まりえさんの話

個人的に一番怖かったのは、最後のまりえの話。

 

普通の人が大金を持ったばかりに、

 

「詐欺師っぽい人からうまいことを言われて金をむしり取られていく」

 

っていう描写、

個人的にすごくキツいんですよね。

 

パパ!!しっかりしろよ!!

乗せられてんなよ!!

 

てかさー、

大人が明らかに騙されてるのに

 

「子供だから見てるしかできない」って

 

ちょーツライよね。。

 

夏さん、最初はとんでもない悪党かと思ったもん。

絶対お金横領してると思ったし。

 

あとは、本のタイトルにもなってるのがこの小説のタイトル。

 

うまく回収してある。

 

儚い羊たちの祝宴というのは、

「バベルの会の子たちが食べられてしまう」という話だね。

 

そして食べる箇所は「唇」ということは、

もしかしたら「これ人間じゃ・・・?」と気づくこともあるかもしれない。

 

そして、まりえの日記が途切れているのを見ると

まりえも食べられたんじゃないかと思う。

 

パパが愚鈍過ぎて、

娘まで調理されたのに「うまーい!!」って

気づかず食べちゃう図も想像できてしまうのが恐ろしい。

 

そして母親が台所の娘の残骸を見つけて

初めて両親が「娘がいない」ことに気づく展開とか。

 

ひえ~~~~!!

 

夏さん仕事しすぎ!!

 

それにしても

「おいしいところ食べて後は捨てる」という流儀、

あんまり賛同できないわ。

 

ちょっとならいいけどさー、

「99%捨てる」ってどういうことよ。

 

もったいなさすぎる。

せめて6割くらいは食え!

 

そういうの生理的にムリ~。

 

 

そういうことで、一気に読んでしまった。

うーむ、面白かった!!

 

思うんだけどさ、

娯楽の本ってやっぱり

「ページをめくる手が止まらない」ものを読むべきだと思うんだよね。

 

よくさー、三四郎とかたけくらべとか山月記とか、

国語の教科書で「面白い文学」として紹介されてるけど

 

正直面白くなくない??

 

つーか字が詰め込み過ぎて、ケータイ小説の方がまだ少し読める。

 

昔の文学って表現が古くて頭が理解を拒否してしまう。

 

読んだとしても「後どれくらいで終わるの~?」って思いながら読んでしまう。

 

なんだろうね。

あの戦前・戦中・戦後(昭和初期~中期)に書かれた本の

全体的にホコリっぽい雰囲気。

 

封印したい。